Audemars Piguet/オーデマピゲ ロイヤルオーク ジャンボ 16204STの紹介

オーデマピゲ ロイヤル オーク 誕生50周年
買取強化中


オーデマ ピゲ ロイヤル オーク“ジャンボ” エクストラ シン オープンワーク 新型Cal.7121を搭載した新世代モデル

8年ぶりのオープンワーク“ジャンボ”は、目を見張るものがある。 

※現在、日本ではロイヤル オーク全般の入荷状況未定とのことで、ブティックへの問い合わせよりも時計への理解を深めることに時間を費やそう。

今年、オーデマ ピゲはロイヤル オークの誕生50周年を迎えた。そして APはこのアニバーサリーを祝う最初のタイムピースを発表した。

※オーデマ ピゲ ロイヤル オークは、その製造工程により生産本数が大幅に増えるような性質のマスプロダクトではない。2022年も続く人気・需要の過熱ぶりにより、残念ながらブティックに問い合わせたからといってチャンスが巡ってくることはないと思われるが、その素晴らしい時計自体の魅力と50年間にわたる豊かな歴史や背景を知り、まずAPを知ることから始めよう。なお、時計の入荷状況は各国ごと、日本でも地域ごとに差があり、現時点で未定とのことだ。

我々が知っていること

オーデマ ピゲがオープンワークで知られていると言うことは、エリック・リペール(Eric Ripert)氏が料理で知られていると言うようなもので、事実ではあるが、それではそれぞれの技巧に対する感動と芸術性を捉えることはできない。オーデマ ピゲの技巧に対する感動と芸術性はロイヤル オーク登場以前からブランドの歴史とアイデンティティに刻み込まれているが、1972年にロイヤル オークが発売されたとき、初期の懐疑的な意見の根拠となっていたのは、APは超薄型で複雑、そしてオープンワークの時計で知られているというものだった。ロイヤル オークのようなスティール製のずんぐりむっくりした時計を作ってどうするのだ、と。

だが実際はどうかと言うと、まったくありがたいことに、APはロイヤル オークの文脈でもオープンワークをうまく扱うことができるということだ。同社はオリジナルのジャンボ用Cal.2121をはじめ、永久カレンダー、トゥールビヨン、そしてダブル バランスホイールをオープンワーク化してきたのだ。今年、ロイヤル オーク50周年記念の一環として、APは新しいジャンボ、Ref.16202を発表し、新しい超薄型のCal.7121を搭載した。この新しいムーブメントは、従来のCal.2121よりもほんの少し厚くなっている(Cal.7121は3.2mm、Cal.2121は3.05mm)。新しいジャンボに加え、APはCal.7124を搭載した極めて洗練されたロイヤル オーク“ジャンボ” エクストラ シン オープンワークも発表しているが、デイト機能がないため、さらに薄く、Cal.7124の厚さはわずか2.7mmだ。

Ref.16204ST.OO.1240ST.01(SS製)、Ref.16204OR.OO.1240OR.01(18Kピンクゴールド製)のふたつが用意され、ケースサイズは39mm×8.1mmと、オープンワークではないRef.16202と同じ。ムーブメントのスペックも厚さ(29.6mm×2.7mm、パワーリザーブは57時間)以外は同じだ。発売時の価格はSS製のRef.16204ST.OO.1240ST.01が1039万5000円、18KPG製のRef.16204OR.OO.1240OR.01は1358万5000円(ともに税込)となる予定だ。

我々が思うこと

先ほども言ったのだが、APは前からやっているのだ。ジャンボは1972年のRef.5402以来続いており、初のオープンワークのロイヤル オークは1981年の(多くの人にとって)長く忘れられていたペンダントモデル(Ref.5710BA)で、最初のオープンワークのジャンボは1992年のワンオフモデル(Ref.14811)だった。2000年までさまざまなデザインでごく少量生産され、その後は2010年に、そして2012年と2014年にも再登場した。

本当に高品質なオープンワークは最近では希少な存在で、理由はその難しさが昔から変わらないからだ。オープンワークのムーブメントを作るには、ふたつの方法がある。ひとつは、例えばカルティエのサントス ドゥ カルティエ カルティエ スケルトンのように、最初からオープンワークを施したムーブメントを設計する方法。もうひとつは、既存のムーブメントを利用してプレートとブリッジをオープンワークにする方法だ。従来は、ピアス用のヤスリや宝石用のこぎりを使ってムーブメントの機能を致命的に損なうことなく、できるだけ多くの金属を除去することが課題だった。

現在では放電加工機で不要な金属を除去することができるが、それでも最終的な仕上げは手作業で行わなければならない。ムーブメントにオープンワーク加工を施すには面取りや角、側面がいくつも追加されることになり、それが決して簡単なことではないことがわかると思う。Ref.16204の正確なプロセスはまだわからないが、APはわざわざ標準のムーブメントプレートに穴を開けるのではなく、別のトッププレートをイチから加工したのかもしれない。その方がデザインのコントロールがしやすいため、これはある意味、理にかなっていると思う(軸や受け石の位置を変えることはできないため、やはり基本となるキャリバーの範囲内で作業しなければならない)。しかし、その場合でも余分な金属の処理についての指摘は変わらない。

この時計で唯一不満なのは50周年記念ローターだ。50周年を記念した時計のひとつとして作られたものだということは理解できるが、“50”の文字が…、申し訳ないが、ほかのデザインと調和していないように感じるのだ。そして、この時計の文脈で言えることは、この時計を腕につけた状態では少なくともそれを見ることはできないということである。だが、完全にミスマッチというわけではない。Cal.7124のトッププレートのムーブメント構造はかなり角ばっており、ローターカットアウトの形状と同様にかなり角度がある。だが、頭では理解しているものの、どうしてもインディカーのサイドにある何かのようなデザインに見えてしまうのだ(インディカーとスケルトンウォッチの両方のファンならわかっていただけると思うが、バグではなくこれはおそらくこの時計の特徴なのだろう)。

どちらのバージョンもそれ以外は非常にエレガントで、どちらかを選ぶのは難しいだろう。スティールモデルは…まあ、スティールのジャンボなのだが、素直に認めよう、スティールモデルがジャンボの正統版で、これ以外のものはこのテーマのバリエーションという感じだ。一方で、ピンクゴールドモデルには深みとドラマがある。スレートグレーの地板とゴールドのムーブメントパーツのコントラストがたまらないのだ。もちろん、セットで手に入れたい方はお好きにどうぞ。

オーデマ ピゲ ロイヤル オーク“ジャンボ” エクストラ シン オープンワーク 39mm:ケースは39mm×8.1mm、18KPGまたはSS。ムーブメントは自動巻きCal.7124、29.6mm×2.7mm、31石、2万8800振動/時で作動、最小保証パワーリザーブは57時間。価格はSS製のRef.16204ST.OO.1240ST.01が1039万5000円、18KPG製のRef.16204OR.OO.1240OR.01は1358万5000円(ともに税込)。

(※こちらの投稿はwww.hodinkee.jpからの引用です。