Patek Philippe/パテック フィリップ 2023年新作モデルを発表①!by Watches & Wonders Geneve

Patek Philippe/パテック フィリップ 

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既に世界最高峰と称されるにもかかわらず、さらなる高みに向かって歩を止めないパテックフィリップ。

超絶コンプリケーションの数々はもちろんのこと、腕時計の性能や機能を向上させる技術革新や、一生面倒を見てくれるアフターサービス体制において、他の追随を許しません。

そんなパテックフィリップから、2023年新作モデルが発表されました!

グランドコンプリケーションからベーシックなモデルまで、パテックフィリップが放つ至極の2023年新作とは?

スペック

外装

ケースサイズ: 直径40mm×厚さ9.17mm
素材: ホワイトゴールド
文字盤: ブラック

ムーブメント

駆動方式: 自動巻き
ムーブメント: Cal.26-330 S C
パワーリザーブ: 最大45時間

機能

防水: 3気圧
定価: 5,093,000円

近年の時計市場では、パテックフィリップと言うとノーチラスの品薄・あるいはこれに伴う相場高騰が取り沙汰される傾向にあります。しかしながら同社を代表するコレクションの話をした時、カラトラバへの言及は欠かせないのではないでしょうか。

1932年に登場したRef.96―通称クンロク―から歴史の端を発するカラトラバコレクションは、ドレスウォッチのお手本のような存在。シンプルで控えめな上品さと美しさを両立した意匠を特徴としています。一方で長い歴史の中でバリエーション展開が行われており、ひとくちにカラトラバと言っても、そのデザインは多岐に渡ります。また、最近はユニークな文字盤デザインを採用することも多く、大人の遊び心をくすぐるようなモデルがリリースされてきました。

2023年新作モデルとして発表されたRef.6007Gも、そんな遊び心溢れるカラトラバの一つです。

格子柄がエンボス加工された文字盤中央には、さらにイエローまたはレッド、あるいは明るいブルーのアクセントが添えられます。カラトラバの上品さの中に、どこかレーシーなイメージが強まりました。アプライド加工のアラビアンインデックスも、文字盤をアイコニックにする立役者です。

 

なお、このデザインコード自体は初というわけではありません。

2020年、パテックフィリップのプラン・レ・ワット新工場竣工記念として1000本限定で製造された、ステンレススティール製Ref.6007Aが記憶に新しい方もいらっしゃるでしょう。

もっともこのRef.6007Aはステンレススティール製であったことに対して、Ref.6007Gはホワイトゴールド製。また前者は深みのあるブルーが基調となっていたことを鑑みるに、Ref.6007Gのユニークさはいっそう際立ちます。

余談ですが、2020年にRef.6007Aがリリースされた折にもやはりユニークさが話題となり、同時にそのオリジナルを辿る試みが各社でなされていました。当店でも、いくつかのオリジナルの候補を挙げたものです。

オリジナルと思われる一つが、2017年にカラトラバのバリエーションに加わったRef.6006Gです。

※カラトラバ Ref.6006G

パテックフィリップが誇る超薄型キャリバー240の誕生40周年を祝して発表された一本で、新作カラトラバと同じく特徴的なアラビア数字のインデックスを有します。

もう一つが、マニアの間で騒がれていた、二本の「オンリーウォッチ」。世界で各一本ずつのみ輩出された、きわめてレアな個体です。

うち、一本が「エターナルアワー Ref.5208 T-010」です。

2017年、パテックフィリップが「オンリーウォッチ」オークションのために製造・出品した個体です。パテックフィリップには珍しいチタン製で(もっとも、オンリーウォッチオークションにおいて、同社はチタンモデルを積極的に提供しているようですが)、さらに特筆すべき点はミニッツリピーター,パーペチュアルカレンダー,ムーンフェイズ,クロノグラフといった機構を備えたグランドコンプリケーションモデルであること!2017年の該当モデルは、世界で最も高名なシンガーソングライターの一人、エド・シーラン氏が所有しているといった情報も存在します。

もう一本が2013年開催時にパテックフィリップより出品された「チタニウム 5004T-001」です。

同じくチタン製モデルで、パーペチュアルカレンダー,スプリットセコンドクロノグラフを搭載したグランドコンプリケーションとなります。レーシーな印象が強いところも、2023年新作のRef.6007Gと共通するように思われますね。

その後の、前述した2020年モデルや2022年新作グランドコンプリケーション Ref.5935A-001、そして2023年の当新作まで引き継がれたこのデザインコードは、「新しい」のではなく、パテックフィリップのレガシーの一つであることがわかります。

 

オリジナルの議論はさておき、新作カラトラバ Ref.6007Gもユニークながら、パテックフィリップらしい高級感に溢れた逸品に仕上がっています。

ホワイトゴールド製ケースは直径40mmと大型ですが、厚みは9.17mmに抑えられており、まだ宣材写真で見ているのみですが、エレガントに着けこなすことができるでしょう。ポリッシュ仕上げが基調となったケースはいかにも美しく、一方でベゼルにある程度の厚みを持たせることで、ドレッシーに寄りすぎません。

文字盤に合わせてエンボス加工を施したブラックカーフストラップが付されているのも特筆すべき点です。

搭載するムーブメントはSSノーチラス Ref.5711/1Aの後期にも搭載された、Cal.26-330 S Cです。

パテックフィリップは長らく自動巻きの基幹ムーブメントにCal.324系を用いてきました。こちらも素晴らしい機械ですが、Cal.26-330 S Cはハック機能(時間操作の際に秒針を止める機能)が付されたり、堅牢性や巻き上げ効率が向上する等、さらに大きな改良が加えられています。

シースルーバックから美しい意匠を鑑賞できるのも素晴らしいですね。

国内定価は三機種ともに5,093,000円。3針モデルでなかなか強気の価格設定ではありますが、近年は原価高騰や為替の影響で多くのブランドが値上げを敢行していること。またパテックフィリップらしい高い作りこみが遺憾なく発揮されていることを鑑みれば、やむを得ないのかもしれません。

2023年パテックフィリップ新作②カラトラバ パイロット トラベルタイム・クロノグラフ Ref.5924G

スペック

外装

ケースサイズ: 直径42mm×厚さ13.05mm
素材: ホワイトゴールド
文字盤: ブルーまたはカーキ

ムーブメント

駆動方式: 自動巻き
ムーブメント: Cal.CH 28-520 C FUS
パワーリザーブ: 最大55時間

機能

防水: 3気圧
定価: 10,175,000円

ノーチラスでお馴染みのトラベルタイム×フライバッククロノグラフ機構を搭載した、カラトラバ パイロットが登場しました!ミリタリーですね!

カラトラバ パイロット トラベルタイムは2015年からコレクションに追加されたバリエーションで、パテックフィリップの中では珍しくパイロットウォッチにかなり寄ったデザインを特徴としています。発売からしばらく話題が絶えず、プレミア価格が続いたコレクションとしても知られています。

このカラトラバ パイロット トラベルタイムに、フライバッククロノグラフを備えたCal.CH 28-520 C FUS搭載モデルが、ホワイトゴールド製ケースで登場しました!さらにブルーまたはカーキグリーンの文字盤が、えも言われぬ美しさを放ちます。

ちなみにCal.CH 28-520 C FUSは、前述の通りノーチラス等で搭載されてきたコンプリケーションムーブメントです。

ローカルタイムの他、第二時間帯を表示できるGMT針を備えたトラベルタイムで、さらに文字盤にセッティングされた小窓でローカル・ホームタイムの昼夜表示を行います。ちなみにお昼が白板、夜が青板です。

このトラベルタイムの操作方法もユニークで、ケース9時側のプッシャーで針を進めたり遅らせたりすることが可能です。プッシュボタンがケースに埋め込まれているので、カラトラバの美しいフォルムを損ねることがありません(もっとも操作時に専用ピンを取り出す必要がありますが)。

さらにフライバック・クロノグラフが搭載されていることもミソ。

フライバック・クロノグラフは時間計測時にリセットボタンを押すことで、即座にゼロリセットされて再計測される機構です。ちなみに非常に優れた設計による、クロノグラフ作動時のエネルギー消費がきわめてエコで、クロノグラフ秒針をずっと稼働させ、秒針のような役割を果たすこともできます。これによってスモールセコンドを持たない、すっきりとした文字盤レイアウトを可能としました。

12時位置のポインターデイトと6時位置の60分積算計のレイアウトも最高ですね。夜光が塗布されたアラビアンインデックスや力強い時分針とよく調和しています。

国内定価は10,175,000円です。

希代のコンプリケーションモデルというだけあり、お値段は高めですが、一度は手にしてみたい2023年新作モデルです。

2023年パテックフィリップ新作③カラトラバ トラベルタイム Ref.5224R

スペック

外装

ケースサイズ: 直径42mm×厚さ9.85mm
素材: ローズゴールド
文字盤: ブルー

ムーブメント

駆動方式: 自動巻き
ムーブメント: Cal.31-260 PS FUS 24H
パワーリザーブ: 最小48時間

機能

防水: 3気圧
定価: 7,711,000円

何度か言及しているように、近年パテックフィリップからはトラベルタイムの新作モデルが豊富に打ち出されています。

直近では、2022年に発売された年次カレンダー×トラベルタイムの、驚くべき融合ウォッチではないでしょうか(もっとも、このモデルは機構もさることながら、ヴィンテージ感溢れるパイロットウォッチのデザインとしても話題になりました)。

前項でもご紹介しましたが、トラベルタイムは簡単に言うとGMT機能のことです。ちなみに1996年にパテックフィリップから初めてローンチされました。GMTはGMT針や回転ベゼルを用いて、ホームタイムとは別のローカルタイムを表示させる機能です。この操作は、一つのリューズを使って行うことがほとんどです。しかしながらパテックフィリップのトラベルタイムではケース9時側に別途プッシャーを設置し、このプッシャーで針を単独稼働させるという仕組みが長らく採られてきました。

しかしながら2022年新作モデルでは、これをリューズ操作へと改良。2023年新作のこちらのRef.5224Rでもリューズ一つで操作できる、より利便性の高い機構が採用されています。また、2023年新作では、年次カレンダーは搭載されないシンプルなトラベルタイムとなったため、普段使いの良い選択肢になるでしょう。

文字盤に目をやると、美しいネイビーブルーに判読性の高いアプライドのアラビアンインデックスおよびバーが並列しているのが見て取れます。シリンジ(注射器)型のGMT針が肉抜きされているので、ローカルタイムの視認性も損ないません。なお、時分針とインデックスには夜光が塗布されています。

ポリッシュ仕上げが基調となったケースも、カラトラバらしい優美さを印象付けます。

ケース直径は42mmとやや大振りですが、トラベルタイムを搭載しながら厚さ10mm以下の薄型設計を実現しているため、装着感は心地良いものでしょう。

同系色のヌバック仕上げのカーフストラップが、モダンさをも押し上げます。

搭載するムーブメントは超薄型のCal.31-260をベースとした、Cal.31-260 PS FUS 24です。Cal.31-260系だからこそ、10mm以下のケース厚を可能としたのですね。

シースルーバックからはパテックフィリップの極上の仕上げと装飾を楽しめますが、マイクロローターなのも嬉しいところ。

自動巻きというとセンターローターが主流ですが、このローターの存在で内部機構が見えづらくなるといった欠点があります(個人的にはローターの装飾もブランドそれぞれで楽しいものだと思いますが)。そこでパテックフィリップやピアジェ、ショパールなどといった一部のラグジュアリーブランドではムーブメントの「窪み」を利用するマイクロローターを採用しています。ちなみにこのマイクロローターに一家言持ち、1970年代から同機構を実用的に採用してきたのがパテックフィリップです。

2023年新作カラトラバ トラベルタイムからも、美しい意匠とマイクロローターが楽しめますね。

国内定価は7,711,000円。

年次カレンダーとの併載コンプリケーションよりかは価格が抑えられていますが、雲上ブランドらしいハイクラスのトラベルウォッチとなっております。

2023年2023年パテックフィリップ新作④コンプリケーション アニュアルカレンダー・フライバッククロノグラフ Ref.5905R

スペック

外装

ケースサイズ: 直径42mm×厚さ14.03mm
素材: ローズゴールド
文字盤: ブルー

ムーブメント

駆動方式: 自動巻き
ムーブメント: Cal.CH 28-520 QA 24H
パワーリザーブ: 最大55時間

機能

防水: 3気圧
定価: 10,098,000円

2021年にグリーン文字盤を備えたステンレススティール製アニュアルカレンダー・フライバッククロノグラフ搭載のRef.5905/1A-001がリリースされたことで大いに話題になりましたが、ラグジュアリーなローズゴールドモデルも2023年新作に追加されました!

2021年モデルはメタルブレスレットも相まって非常にスポーティーでしたが、今作はローズゴールドによって重厚感ある仕上がりとなっております。一方で5905系由来のモダンなレイアウトの文字盤は今なお鮮烈で、一度見たら忘れられないインパクトを抱えます。パテックフィリップのコンプリケーションモデルと聞いて、この顔立ちをまず思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

ちなみに搭載ムーブメントCal.CH 28-520は、2006年にパテックフィリップが公表したアニュアルカレンダー×クロノグラフのコンプリケーションです。この年は同社初の完全自社製クロノグラフをリリースしたこともあり、様々な派生キャリバーが同時リリースされました。

パテックフィリップ・シールに準拠した名機で、しっかりと丁寧な仕上げ・装飾が施されて見るのも楽しい逸品です。

ちなみに何度か言及しているように、6時位置のインダイアルは60分積算計です。クロノグラフを秒針代わりにすることもできるとのことで、利便性も十二分です。

国内定価は10,098,000円ですが、パテックフィリップのコンプリケーションということを鑑みれば、千万円超えはままあります。

もっとも2021年のSSモデルは、めったに市場に出回らないレア個体。恐らくRef.5905Rもなかなか入手しづらく、また流通までには時間がかかると思われます。

ともあれ、パテックフィリップの美技を存分に示してくれる銘品であることは間違いありません。

(出典:rasin.co.jp)